2003年5月27日火曜日

SOMETHING BLACK

小父さんが上着のポケットをごそごそとひっかきまわていた。
「どうしたの?」
「ちょっと見当たらなくて……」
「さっき上着脱いでたから、落としたのかも」
街のカフェでケーキ食べた帰りなのだ。
ぼくはチョコレートケーキを食べ、小父さんはエクレアを四つも食べた。
その後、熱いコーヒーをブラックで飲んでいた。
そのコーヒーを味見してみたけど、熱いし苦いし、もう飲まない。
「で、何が見当たらないの?」
「……黒くて」{失すと一大事}
フクロウが大げさに騒いでみせた。
「そう、大変……。あ、あった」
「見せて!」
「駄目」