2013年3月18日月曜日

イレブン

十一人はそれぞれに役割を持っている。
一人目は測る人、二人目は塗る人、三人目は切る人、四人目は着る人、五人目は折る人、六人目は織る人、七人目は書く人、八人目は待つ人、九人目は寝る人、十人目は探す人、そして十一人目は喋る人である。
ちなみに順不同、他意はない。
さて、十一人はそれぞれの持ち場について仕事をするわけだが、喋る人はこのごろ喋るのにちょっと疲れてきた。隣の芝は青い、只管に芝生の長さを測っている人が羨ましかったので、交代を申し出た。
測る人から喋る人になった人は、何を喋って良いかわからなくなって、昨日食べたケーキが如何に美味しかったかを延々喋っている。
今度は着る人になりたいな、と思いながら昨日のケーキの話をまだしているし、隣で切る人がケーキを11等分しようと苦戦している。