2010年9月20日月曜日

黒猫のしっぽを切った話

夜の散歩中、例によって流星が脇を掠めていった。
しばらく歩いていると、前方にさっきの流星が地面すれすれをゆっくり飛んでいるのが見える。
流星の奴、具合でも悪いのかと近づけば、黒猫のしっぽに絡まって動けなくなっていたのだった。
その姿があんまり可笑しいので笑ったら、流星にも黒猫にも怒られた。
流星をしっぽから外そうと試みるが、どうやっても取れない。
流星が「しっぽごと切れ!」という。驚いたことに黒猫も同意した。仕方ない、家に鋏を取りに帰ろう。

待ちかねていた流星と黒猫に鋏を見せて「本当に切るんだね?」と確認する。早くしろと流星がせがむので、パチンとしっぽを切ると、流星はしっぽを付けたまま疾走し、黒猫も身が軽くなったと言わんばかりに、ふわふわと空中を歩いて去っていった。