2005年5月17日火曜日

THE BLACK COMET CLUB

『ブラックコメットクラブ団員募集!五月十七日夜九時、広場集合』
「キナリ、この貼り紙見てごらんよ。おもしろそうじゃない?」
長い名の絵かきが言った。
「九時って、もうすぐだよ。広場に行ってみよう」
背の低いコルネット吹きも言う。
「ブラックコメットクラブ!どんなクラブだろう!」
少女の気持ちは多いに盛り上がる。

広場には誰もいなかった。九時になっても十時になっても誰も来ない。少女の目に涙が浮かぶ。
「楽しみにしてたのに、どうして……」
「さて」
少女の言葉を遮り、絵かきは言った。
「ただいまよりブラックコメットクラブ結成式を行います。部長は、キナリさん。異議は……ありませんね」
コルネット吹きが続ける。「副部長は、ピベラ・デュオガ・ハソ・ヘリンスセカ・ド・ピエリ・フィン・ノピメソナ・ミルイ・ド・ラセ・ロモデェアセ・スペルイーナ・ケルセプン・ケルセプニューナ・ド・リ・シンテュミ・タルヌヂッタ・レウセ・ウ・ベリンセカ・プキサ氏。会計はわたくしチョット・バカリーが担当いたします」
絵かきは、少女に笑いかける。
「特別顧問として、ナンナル氏を迎える予定になっております」
少女が続けた。
「ヌバタマを名誉会長にします!」
どこからともなく現れた黒猫が、三人の中心に座った。
「では、会長、開会のお言葉を」
〔本日は晴天なり〕
星の美しい夜である。