2004年7月18日日曜日

Shadow's number

旅人は影を数える。
旅人は出会った人の影をノートに書き残した。
酒場で出会った無口な男の影はおしゃべりだったし、口の悪い雑貨屋の女主人の影は平心低頭だった。
100歳を超える人々の影は決まって緑色だったし、金持ちの影は薄かった。
鷹と同じくらい、子供は自分の影のことをよく知っていた。
分厚いと思っていた旅人のノートは、もう残り四頁しかない。
ずいぶんたくさんの影に出会ったものだ、と旅人は思う。
しかし旅は終わらない。
次は星を数えよう。それが済んだら石ころを数えよう。