2024年4月20日土曜日

#春の星々140字小説コンテスト投稿作 「細」投稿作

鉄骨が一本、また一本と外されていく。あっちでは観覧車が、こっちでは跨線橋が解体されている。横たえられた鉄骨たちは草臥れ果てて眠っているように見えた。こんなに細かったんだねぇ、ぼくたちを支えていたものは。鉄骨たちが寝ているこの場所も、以前は電波塔が立っていた。空がどんどん広くなる。