2017年11月16日木曜日

十一月十六日 泥棒

昼寝をしていると、ドアが開く音を聞いたような気がした。いま、家には自分ひとりしか居ないはずだった。
泥棒だったらどうしようか。
揺れる意識はそれ以上の思考にはならず、しばらく記帳していない通帳を持って銀行に行くと銀行員が誰もいない、という夢を見た。泥棒からの連想にしては、手が込んでいる。
今度はなんだか身体が重くて意識がはっきりしてきた。いよいよ目が覚めて重たい腹の上を探るとフワフワなのにやたら重量のあるボールが乗っかっていた。ボールというより毛玉。
これがドアを開けて入ってきた泥棒か……。何を盗んだのかと部屋を見回すと、いや、泥棒なら盗んだら逃げるはずで、ではこれは何だ? 
と思ったら、コロコロと毛玉は転がっていってしまった。