2008年2月5日火曜日

のめりこみ症候群

「恐怖、のめりこみ症候群」
と、夕刊に記事が出ていることに気づいた。
のめりこみ症候群は、始めたことを寝食も忘れて熱中してしまうことで起きる、不可解な諸症状を指すのだという。
まず、涎が垂れる。そして爪が伸びる。ひどい人になると犬歯も伸び、牙のようになってしまうらしい。
さらに記事は、熱中するのを止めさせるコツを伝えているが、たいした効果はないと言う。
寝食を忘れたやつれ顔に長い爪と牙を持った患者は、俺とそっくりに違いない。のめりこみ症候群の重症患者が生き血を求めて彷徨い出すやもしれぬ。ご馳走にありつく機会が減ると厄介だ。しかし、ひょんなきっかけで仲間が増えるのは、なかなか愉快ではある。俺は舌なめずりをしながら新聞を畳んだ。さぁ、食事の時間だ。