2007年6月15日金曜日

浮き寝

なんだかゆらゆらと気持ちがいいような気はしていたんだ。
目をあけると、見慣れた天井ではなく、どんより曇った空があった。
僕は起き上がりたいのを必死で堪えた。どうやら海に浮かんで寝ているらしいことに気付いたからだ。
起き上がれば、きっと溺れてしまう。このまま。このまま。力を入れずに寝息のままで。
ゆっくり目玉だけ動かして周りを見渡す。空は曇っているけれども、波は穏やかだ。嵐の前の静けさ、という言葉が浮かぶ。考えないことにしよう。
僕はパジャマのままだけど、濡れているようには感じない。布団の中か、それ以上の心地よさ。
こんなに気持ちがいいのは、やっぱり寝ぼけているからかもしれない。海だと思うのはおねしょでもしているからかもしれない。
そう願って一度目を閉じ、ゆっくり息を吸い込み、目を明ける。
やはり、ここは海だった。そしておねしょはしていなかった。
太平洋なのかなぁ。次に目が覚めたらハワイの砂浜ならいいのだけれど。
おねしょはしていないとわかったら、なんだか小便がしたくなった。
海だからこのままするか……。でもパジャマが汚れるな。でも、なんで濡れずに浮いてるのかなぁ。