2006年3月14日火曜日

まどろみを強いる者

神父は、息継ぎもせずに聖書を読み続けた。ゆっくりと話しているのに、早口言葉のようにも聞こえる。
一体いつ息をしているのだ?とじっと観察してみるが
御堂に静かに響くその声は、どんな子守歌より心地よくて私は眠ってしまう。

どれくらい時間が経ったのだろうか、私はにわかに覚醒した。
見渡すと、御堂にいるすべての人が皆、眠っていた。神父本人も、例外でない。胎児のように身体を丸めて眠っている。
だが、神父の声は響き続けている。
途絶えることなく、静かに、だがはっきりと。
私はキリストをちらりと見遣ると、再び眠りに沈んだ。

《Trombone》