2013年6月7日金曜日

巻貝に住む人

幼稚園の園庭には、巻貝を模した遊具があった。遊具と言っても子供が2人くらいしゃがみこんで入るスペースがあるだけで、特に何ということもない。だが、狭い所に入るのが好きなの子供は多いようで、他の遊具に引けをとらない人気があった。


マサキは、巻貝に入るのが大好きで、自分はきっとヤドカリの生まれ変わりなんだと信じ込んでいるような子供だった。


そして、そのまま大人になって、窮屈なはずの巻貝の遊具に相変わらず入ったままだ。


園児が寄ってくると、海の生活や海の生き物の話を聞かせる。話は巧いらしく、子供はじっと聞いている。


幼稚園の先生や保護者からは度々マサキを追いだそうという話が出る。実際、警察が呼ばれたこともあったが、結局マサキはいまでも巻貝の住人である。