2008年4月9日水曜日

玄関マット

玄関マットに血痕が現れるようになったのは、十三歳になる直前だった。
マットに血がついている、と訴えても、取り合ってはくれなかった。母には見えないらしい。
まもなく、その血痕の出現と自分の月経が重なっていることに気付き、玄関マットを踏むことが出来なくなった。非道く汚らわしくも、己の分身のようにも思え、どう扱ってよいのかわからなかった。
四年後、父が玄関マットを取り替えようと言い出した時には、安堵した。一方で、私の月経に何か変化が起こるのではないかと戦いた。
果たしてそれは、現実となった。玄関マットを処分した以降、私の経血には、大量の糸屑が混ざっている。