2026年8月12日水曜日

崩れる紙8

 「この町では質のよい紙を作ることはできませんでした。質のよい紙を遠くの町から買うこともできませんでした」自動人形の司書は台詞のように語り始めた。「市場に出回っている紙は書いた字も読めぬほど。しかしそれでは書物になりません。図書館の本は苦心して作られた書物専用の紙に書かれています」