2026年8月11日火曜日

崩れる紙7

「けれども」自動人形の司書は続ける。「ここにある本は、まだ誰にも読まれたことがありません。そして、一度しか読むことができません」私は図書館内をぐるりと見渡した。立派な背表紙が並んでいる。「一度しか、読めない……?」なかば独り言のように訊ねる。「一度でも目を通した文字は消失します」