やってきた小父さんは真っ青だった。
ここに来る途中、自分を落としたらしい。
いつもは送り迎えの時しか現れないコウモリも慌てていた。
とにかくあれを見付けないければ!
傷がつけば小父さんの身体も、空の月も大変なことになる。
もはや小父さんは不安で倒れそうだ。
小父さんにはココアを飲ませ、ぼくのベッドに休ませた。
コウモリに小父さんを見てもらうことにして
フクロウとぼくで探しに行く。
でも一体どこを探したらいいのだろう。
早く見つけたいのに見当もつかない。
ぼくは腕組みした。
すると胸ポケットに何か入っているのに気付いた。
小さなまんまるの石。
ポケットの中の月はやっぱりポケットが好きらしい。