2003年6月16日月曜日

TOUR DE CHAT-NOIR

「こないだ箒星獲りにいったところに行きたい」
「あぁ、黒猫の塔か」
「黒猫の塔って言うの?」
「そうだ。あの塔はとっても、古い。そしてあぶない」
「でもこの前は登ったよ?」
「それは箒星を獲らなくてはならなかったからだ」
問答の末、なんとか塔へ連れていって貰った。

小父さんをベベに残し塔の中に足を踏み入れると冷たい風が背中をくすぐった。
「いらっしゃい」
「あ!黒猫さん!この前は会わなかったのに」
「お月さんがいたからね」
「……仲悪いの?」
「そうじゃない。これはお月さんには内緒だよ……」

黒猫とおしゃべりして車に戻り小父さんに言った。
「また来たい!」
「やれやれ」