懸恋-keren-
超短編
2003年6月2日月曜日
はねとばされた話
「やるじゃないか、少年!」
ピーナツ売りに手品を教わった。
いきなりピーナツをハトに変えるのは難しいのでテントウ虫にした。
小父さんには内緒で昼間こっそりピーナツ売りのところに通ったんだ。
頑張って二日で覚えた。ピーナツ売りも誉めてくれた。
「オレの跡取りになるかい?」
「それもいいね」
一番驚いてくれたのはフクロウだった。
{すばらしい!}
バシン!と翼で叩かれた。
ぼくははね飛ばされて電燈にひっかかった。大慌てでフクロウが助けてくれたけど、まだ新しいシャツが破けちゃった。
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