懸恋-keren-
超短編
2003年6月17日火曜日
星?花火?
星?花火?
「花火をやるぞ」
「やった!」
小父さんはマッチでロウソクに火をつけるとまず煙草を取り出した。
今日のはバニラの香りだ。
それからやっと花火を一本くれた。
ぼくはわくわくしながら花火をロウソクに近付けた。
シュー
音をたてながら火花が舞う。
すごくきれいだ。次々火をつけていく。
あれ?
「ねえ、これ花火?」
「何を言う、少年。花火でなければ、なんだというのだ」
「星でしょ?だって火花が全部空へ飛んでいくよ」
いつのまにか空は星だらけになっていた。
次の投稿
前の投稿
ホーム