2003年6月24日火曜日

水道へ突き落とされた話

頭が痛かった。のっそりとベッドから這い出て洗面台に向う。
痛みが流れるわけではないのに、ジャバジャバと顔を洗い続けた……気が付くとぼくは水と共に流れていた。
始めは驚き、焦って手足をバタバタと動かしていたがやがてあきらめて流れに身を任せた。
するとまもなく穏やかな気持ちになった。
このトンネル(おそらく下水道)を抜けると川に出て海に行くんだ。
ぼくは再び気を失った。
目が覚めると潮の香がした。いよいよ海だ。
ぼくはドキドキしてきた。あぁ、満月が綺麗だ。
「起きろ!少年。もう少しで水になるところだったぞ」