2003年6月27日金曜日

THE MOONMAN

「たとえば小父さんに手紙を書きたい時、宛名はどうすればいいの?」
「妙なことを言う奴だな。こうして毎晩会っているではないか」
「だから、たとえばの話だよ」
「TO THE MOONMAN」
「それ、小父さんの名前?」
「名前?名前ではない。私に名前はない」
「……ふーん。それでポストに入れたら届くの?」
「そうだ。私宛ての手紙があることをポストがフクロウに伝える」
「届けるのは郵便屋さんじゃないんだね」
「彼らが私の所に来られると思うか?」

小父さんが帰ってからぼくはカードを書いた。
バースディパーティーの招待状。