懸恋-keren-
超短編
2009年1月23日金曜日
ねぇ
「ねぇ」
きみからの電話に少々縮みあがる。あんなことをして怒ってないだろうか。感傷的になっていたのは確かだけど、勢いだけじゃなかった。だって
「気紛れだったなら、そう言って。酔っ払った勢いで、という言い訳も今だけ受け付けます。そうじゃないなら恋の槍とか、キスの雨とか降らせちゃうんだからね。覚悟シロ」
彼女が電話越しにあっけらかんと言うから、そんなの降るもんかと笑いながら窓から空を見上げてみる。
ホントだ。雲からハート型の槍がぶら下がって今にも落っこちそうになってら。早く降っておいで。
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