懸恋-keren-
超短編
2008年1月26日土曜日
黒猫のしっぽを切った話
ピカビアな夜のこと、X君は、大きな黒猫に出会った。
「きみのしっぽは実にふかふかでしなやかでたくましい」
X君がそう褒めると黒猫はそのしっぽをX君の身体に巻きつけた。
X君はこれ幸いとしっぽをハサミでチョキンと切った。
その瞬間、X君は黒猫のしっぽもろとも、ひゅぃっと飛び出し、ほうき星になった。
【鴨沢祐仁氏を偲んで】
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