2008年1月15日火曜日

罠の数は35

罠の数は35、ということはあらかじめわかっていた。
ミミズのプールとか、天井から蛸が落ちてきたりとか、巨大なめくじの扉とか、蛙の卵の掴み取りとか、どうもヤツはぬめぬめしたのがお好みらしい。
あと残る罠はひとつのはずなのだが、身体中が色々な生き物の体液や粘液に塗れ、臭いは痒いは。どろどろ服は、所々粘液が乾きはじめカピカピになっている。
「もう、勘弁してくれ!!」
俺は叫んだ。すると「最後の粘液は自分で出せ!」とアイツの声が帰ってきた。
どういうことだ?とぼんやりした頭で考えていると、なんと向こうから美しい女がやってくるではないか。合点承知。
とにかく、この汚れた服を脱ぎたいのだけれども、粘液がたっぷり染み込んだ服がなかなか脱げない。あぁ、これが35番目の罠なんだ、と気付いた。美女を目の前にますます焦る。