2008年から始まった戦いは2060年に終わる。
そう預言したのは、黄金虫のアルフォンスだ、と言われている。
アルフォンスは標本になり、今は博物館のロビーに陳列されている。
2060年の今、アルフォンスの言う戦いが何だったのか、わからなくなってしまった。
たかが半世紀ちょっと前なのだけど、2008年には、オリンピックもあるし、夫婦喧嘩もあるし、二酸化炭素もあるし、プロレスも相撲もあるし、冤罪もある。一体どれが黄金虫の言う戦いなのか、わからないのだ。
それでも、何かが終わることを期待して、人々は「ラストバトル」を待っている。