懸恋-keren-
超短編
2005年5月4日水曜日
水道へ突き落とされた話
月と少女が歩いていると、すぐ目の前のマンホールのフタが勢いよく跳ねて中からレオナルド・ションウ゛ォリ氏が顔を出し、「ほほーい」と言うとすぐ消えた。
月が驚いていると、ションウ゛ォリ氏は月の背後に現れて背中を押したので、月は水道に墜落した。
「ナンナル!」
心配そうに水道を覗き込む少女の隣で
「ナンナル殿、水も滴るいい月のできあがり、ですぞ」
と満足げなレオナルド・ションヴォリ氏は、じいさんだ。
次の投稿
前の投稿
ホーム