懸恋-keren-
超短編
2005年5月18日水曜日
友だちがお月様に変った話
長い名の絵かきと、背の低いコルネット吹きが連れだって歩いていた。
「今日は、満月だね」
「ナンナルが来てるかな」
「キナリのところに行ってみよう。きっとナンナルにも会えるさ」
「あ!」
「え?」
二人はお互いを指さした。
「ナンナル!」
「ナンナル!!」
でもそれは、ほんの一瞬のことで、すぐに月ではなくなった。
「ナンナルを問い詰めなくちゃならないね」
「きっと教えてくれないけどね」
「月になった気分をメロディにしよう」
「友達が月になった様子を絵にしよう」
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