2004年7月5日月曜日

電信柱と過ごした一日

ぷくぽわーんぽよーんふわん
電信柱の影の先っぽから丸い影が飛び出しているのに気づいたぼくは、飽きもせず道
に佇んでいた。
通行人はいぶかしげな顔していたかもしれない。
時々老人が話しかけてきたが、愛想の悪すぎるぼくにあきれて去っていった。
飛び出した丸い影は地面をさまよい、あるものは弾け、あるものは建物の陰に入って
見えなくなった。
電信柱は動かないが、電信柱の影は少しずつ移動するので、ぼくも一緒に移動しなけ
ればならなかった。
丸い影は大きかったり小さかったり、風に合わせてゆがんだり揺れたりした。
電信柱の影は、日没と同時にしゃぼん玉を止め、おなかがすいたのでぼくも家に帰る
ことにした。