2003年11月24日月曜日

ションヴォリ氏に抱きついた少女のこと

その店のドアを開けるやいなや、ションヴォリ氏は叫んだ。
「マヤ!」
摩耶と呼ばれた少女は舞台を降り、三人に駆け寄った。
「レオナルド!」
摩耶はションヴォリ氏に抱きついた。
スラリと背の高い摩耶の胸が、ションヴォリ氏の顔に押しつけられた。
店中の視線が二人に注がれる。
「モンドとカモンもよく来たね」
今度は掃部くんを抱き上げて頭を撫でる。
「毎週来てるけどね」
主水くんは呟いた。照れ隠しである。
「わたし、舞台に戻らなくちゃ。好きなだけ飲んでて。カモン、パフェもあるからね」
言われるまでもなく掃部くんはパフェに取りついている。
パタパタと舞台に戻るドレス姿の摩耶をションヴォリ氏は名残惜しそうに見つめた。