懸恋-keren-
超短編
2003年11月20日木曜日
追い越していったカタツムリのこと
さすがの羅文と四文も三人を乗せた木箱を押すのはしんどい。
言うまでもなく、そのスピードは歩くのより遅い。
もっとも、たとえ乗客が掃部くん一人でも歩くのよりも遅いが。
だが三人はそんなことにはおかまいなし。
ドライブを心底楽しんでいる。
「ほれ、モンドくん。カタツムリが抜かしていくぞ」
「はい、博士。ほら、掃部。カタツムリは速いなぁ」
「うん、そうだね。あんちゃん。みてよ、れおなるど。カタツムリがもうあんなにとおくなったよ」
次の投稿
前の投稿
ホーム