夕焼けが薄くなり始め、薄紫色が長い夜の訪れをほのめかせている。
主水くんは外に出て洗濯を始めた。
このあたりでは、洗濯物は夜の方がよく乾く。
主水くんが変わっているわけでは決してない。
木にロープを張って洗濯物を干す。
赤いパンツに赤いシャツ、赤いズボンに赤い靴下。
これは全てションヴォリ氏の服である。
ションヴォリ氏は着る物をまったく同じ色に揃えるのが紳士のお洒落であると信じている。
明日はここに緑の服が並ぶであろう。
主水くんはこれをとても尊敬していて自分も大人になったら是非こうありたいと望んでいる。