「やあ、カモンくん。いらっしゃい」
掃部とかいてカモンと読む。ションヴォリ氏は漢字を知らぬのでカタカナで呼ぶ。
カモンと呼ばれた変な動物は持っていたホウキでそそくさと掃除を始めた。
ずんぐりむっくりがチョコチョコとホウキを動かす仕草がおかしくてションヴォリ氏はいつも腹をよじらせて笑う。
掃部くんが掃いた後はきれいになるが掃部くんのしっぽは泥だらけなので掃部くんの掃除はいつまでたっても終わらない。
「カモンくんカモンくん。まずきみのしっぽを洗ってきたらどうだい」
ションヴォリ氏がバスルームを指して言う。
悲しいかな、掃部くんはおのれのしっぽに手が届かない。