懸恋-keren-
超短編
2002年11月22日金曜日
星でパンをこしらえた話
「食べてみてください。私が作りました」
お月さまは紙袋からパンを取り出した。
私と『スターダスト』のマスターは興味津々で手を伸ばした。
パンを食べて驚く我々を見てお月さまは得意気に言った。
「作り方をお教えしましょう。材料は私が用意しますから」
翌日、開店前の『スターダスト』にお月さまは荷物を抱えてやってきた。
「活きのいい星をたくさん持ってきましたよ!さぁパンを作りましょう!」
新鮮な星は暴れるので粉にするのは難儀だったが、おかげでたくさんのパンが焼けた。さて、このパンを誰と食べようか?
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