懸恋-keren-
超短編
2002年11月1日金曜日
ある晩の出来事
『スターダスト』からの帰り道、
月明かりでいつもより影が濃いのに気づいた。
しばらく影を気にしながら歩いていると
「俺を気にするなんて何十年ぶりだろうな」
と影が言った。
「確かに、最近は影なんて気に留めなかった……」
返事をしたのが悪かった。まさかこんなことになるなんて。
終バスの排気ガスで咽た。涙が出た。
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