2005年4月1日金曜日

A PUZZLE

「お嬢さん、似顔絵を描いてあげよう」
月と夜の町を歩いていた少女は、路上の絵かきに呼び止められた。
「お嬢さんの名前は?」
「キナリ。絵かきさんは?」
「ピベラ・デュオガ・ハソ・ヘリンスセカ・ド・ピエリ・フィン・ノピメソナ・ミルイ・ド・ラセ・ロモデェアセ・スペルイーナ・ケルセプン・ケルセプニューナ・ド・リ・シンテュミ・タルヌヂッタ・レウセ・ウ・ベリンセカ・プキサ。長いでしょう?プキサって呼んで。皆そう呼ぶんだ」
 長い名の絵かきが描いた少女の似顔絵を見て月は言った。
「なんだこれは!目も口も耳もバラバラだ。とても顔には見えない」
少女は絵を受け取ると、黙って破りはじめ、たちまち19片の紙屑になった。次にそれを、新しい画用紙にスラスラと並べ張り合わせた。
「すてき!見て、ナンナル、キナリとそっくりだよ。上手だね!ピベラ・デュオガ・ハソ・ヘリンスセカ・ド・ピエリ・フィン・ノピメソナ・ミルイ・ド・ラセ・ロモデェアセ・スペルイーナ・ケルセプン・ケルセプニューナ・ド・リ・シンテュミ・タルヌヂッタ・レウセ・ウ・ベリンセカ・プキサ、ありがとう!また遊びにくるよ!」
月は渋い顔で絵かきに硬貨を渡した。