ある晩、長い名の絵かきが公園を通ると、少女がブランコに座って泣いていた。
「……キナリ?キナリ、どうしたんだい?こんなところで。…嫌なことがあるなら、話してごらんよ」
少女は顔あげ、絵かきとわかると口を開いた。
「……ピ、ピベラ・デュオガひっく、ハソ・ヘリンスセカ・ド・ずず、ピエリ・フィン・ノピメソナ・ミルイ・ド・ラセ・ふ、ロモデェアセ・スペルイーナ・ケルセプンふふふ、ケルセプニューナ・ド・リあは、シンテュミ・タルヌヂッタ・レウセ・ウあはは、ベリンセカ・プキサ!!」
少女は笑い出した。
「えへへ、ぼくの名前を言ってるうちに楽しくなっちゃったね。どうして泣いてたの?」
「……なんだっけ?」
二人はアップルタイザーで乾杯した。
この晩は、新月だった。