懸恋-keren-
超短編
2005年4月21日木曜日
月光密造者
「ねぇ、オニ?」
「なぁに?キナリちゃん」
「月の光の作り方、教えて」
「なぜあたしに聞くの?」
「オニの本、月光鬼語っていうんでしょ。きっと月の光の作り方も書いてある」
「まあ。でも、どうして月の光を作りたいのかしら?」
「だって…今日は新月でナンナルに会えないから」
「わかったわ!キナリちゃん、協力しましょ。月の光は、フライパンで作るの。それから…粉を出してちょうだい」
鬼と少女は、大きなパンケーキを焼き、たっぷりのアップルジャムをのせて食べた。
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