2007年7月3日火曜日

ラジオに住む紳士

これは、私の宝物、40年間、美声を流し続けているラジオだ。
一局しか受信できないラジオだが、その一局を他のラジオでは聞いたことがない。
つまり「このラジオのためだけの専門放送局」だ。
このラジオから聞こえてくるのは、仕立てのよいスーツを着ているであろう紳士のテノールの語りと、多様な音楽。

紳士は、ジョーと名乗っている。
リスナーはMr.ジョー、と彼を呼んだ。
彼は世界一のDJだが、DJである前に紳士だからだ。
Mr.ジョーは、私が中学の時から変わらぬ声で、いつラジオのスイッチをいれても話をしている。昼でも夜中でも。

Mr.ジョーが、私のリクエストに応えてくれる。
そう、かつて数万機売り出されたこのラジオを持つのは、私とあと二人になってしまった。

こんな夜はミスターロンリーが聞きたい。
Mr.ジョーが、自らレコードに針を落とす気配が聞こえる。

ジェットストリーム40周年と城達也さんに。