懸恋-keren-
超短編
2007年7月17日火曜日
逢瀬の大きさ
きみの傍にいられるのは、一週間に二時間。
きみの声を聴けるのは、百六十八時間のうちの二時間。
約分してみたら、きみの匂いを感じるのは、八十四時間に一時間。
八十四ぶんの一、なんと小さい時間だろう。
手のひらに乗っけてみたら、ころんと指の間から落っこちて砕けた。
そう。毎週必ず会えるわけじゃないんだった。
だから現実は八十四ぶんの一よりもっと小さい。
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