懸恋-keren-
超短編
2007年7月23日月曜日
七月二十三日 鬼と露天風呂
岩を潜り、お札がベタベタ貼られた屋根の下で服を脱いだ。
二色の露天風呂に、人は誰もおらず、蚊ばかりがいた。
一人、湯船に浸かり、景色を眺める。
すぐ隣の男湯で人の気配がした。
そっと覗きに行くと、角が二本の青鬼が一人鼻歌を歌っていた。
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