懸恋-keren-
超短編
2007年7月6日金曜日
七月六日 振動
トラックを乱暴に止め、エンジンをかけたまま、宅配物を抱えた若い男がドタバタと駆けていく。
古い鉄筋コンクリートマンションの階段の手摺りに、ガンガンとぶつかりながら。
インターホンを連打し叫ぶ。「荷物です!」
帰りは、もっと大袈裟にぶつかりながら階段を転げ落ちてきた。
私は自分の部屋のベッドに寝転がって、若い男の出す振動を感じていた。
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