掘り当てた水道管は、なんといえばよいか、中トロを管にしたようだった。
巨大な血管を思わせる。
でも中を流れるのは血液ではなく、井戸から引かれた水だ。
軍手を着けた指でおっかなびっくり触ると、びくびくと震え、中で水が動くのがわかった。
「とにかく、水道管を探してください」と言われて庭を掘り返したわけだが、水道管が生き物のようだとは思わなかった。
よくツルハシで破らず掘り当てたものだ。
触られたところが気になるのか、水道管はまだびくびく動いている。
水道管は見つけたけれども、それからどうしてよいのかわからない。
だいたい何のために水道管を探さなければならなかったのだろう。
こんな水道管だと知ったら、水が飲めなくなるじゃないか。