「アレック!」
主水くんが大きな声を出し、掃部くんはビクッとした。
阿礼は聞こえるのか聞こえないのか、つぶやき続けている。
「やはりウルトラデラックス百科事典でなければ……」
「はぐらかさないで、アレック。ぼくたちはアレックともっと仲良くなりたいのです」
主水くんは一呼吸置いて言った。
「知りたいのはあなたのことです」
「……各々方は、小生の住まいを知りたいと、申すのか」
ようやく阿礼は顔を上げた。
「さようでござりまする」
ションヴォリ氏が阿礼の口ぶりを真似て答えたので
主水くんはちょっと笑った。
しかし、主水くんにしがみつく掃部くんの手の力はますます強くなった。
「では案内いたそう、小生の住まいへ」