「ありがとう、アレック。もう一つ質問してもいいですか?」
主水くんはまっすぐ阿礼の目を見て言った。
主水くんとションヴォリ氏が、本当に聞きたかったのはルーシーのことではなかった。
「よかろう。小生は各々方に知識を分け与えることに惜しみはない」
今度はションヴォリ氏が口を開く。
「アレック、あなたの家を教えて下さい」
阿礼の顔色が変わるのを見て掃部くんは緊張した。
主水くんの陰に隠れ服の裾を握り締める。
「それはデラックス百科事典には記載されていない。やはりウルトラデラックス百科事典を購入せねば……」