超短編
「髪が乾かないから」と言って、床に就こうとしない。私は布団の中から窓辺に座っている長い髪の人を見ていた。本当はもう髪は乾いているのだろう。のんびり夜風に当たっているようで、何か別のものを見ている顔だった。彼女に背を向けて目を閉じた。