超短編
水が溢れそうなグラスがテーブルに置いてある。水面が動いている。「波と同じように動くんだ」と窓から海を眺めながらその人は言った。「嵐の夜は、テーブルがびしょびしょになるよ」と。グラスの水は減らないそうだ。こっそりこの水を啜りたい。