懸恋-keren-
超短編
2006年12月4日月曜日
滲む味
そのまま、続けて。
裸でソファーにもたれカフェオレを飲む私を、彼は執拗に舐めまわす。
カフェオレを飲んでいる最中の私は、カフェオレの味がするというのだ。
ジュースやココアやカクテルでも試したのだけれど、ただ「私の味」がするだけだという。
カフェオレだけが、私の肌や粘液を通過してしまうのかしら。
それにしても、いちいちカフェオレを飲ませるなんて「私の味」が不味いと言われているようで、ちょっと癪。
あぁ、もっとカフェオレを飲みたい。でも、立ち上がれない。
空のカップを持つ手に力が入る。
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