猫製造機はやかましく、だが淡々と猫を製造している。
地下の酒場の、そのまた地下に猫製造機はあった。酒を飲む男や女は、製造機の仕事に気付かない。
生産されたばかりの猫は階段をあがり酒場に入り男女の足をかい潜り、さらに階段を昇って、ようやく外にでる。 伸びをする猫の目にネオンと月の区別はまだ付かない。
今夜も酒場の亭主は、苛立たしげに床に散らばったコルク栓を蹴飛ばした。
コルク栓は勢いよく転がり、階段を落ちて猫製造機に吸い込まれた。
猫製造機が大きな音を立てて稼働を始める。
*蛇腹姉妹「猫製造機」のために*
12月16日(土)
マメBOOKSが開催中のCafe FRYING TEAPOTで、蛇腹姉妹のライブが行われました。
演奏の合間に、私の超短編作品を朗読していただきました。
「猫製造機」は蛇腹姉妹のレパートリーである「猫製造機」を聞きながら書き下ろしたものです。
「猫製造機」は今後の蛇腹姉妹のライブでも読んでもらえるそうです。よかったね、猫製造機。(?)
朗読された作品リスト
「ろ」
「幻の酒パビムン」
「なげいて帰った者」
「すれ違い」
「猫製造機」