ふわりふわり風船が降り積もり、ついに富士山が見えなくなった。
膨れた風船が次々と不時着しているのだ。
長い間風雨にさらされた風船たちは皆ファニーフェイスだ。
不器用なのや複雑すぎるのは、どこにでもいるもので膨れすぎて自爆したりぶつかって破裂する風船も後を断たない。
風雲児は数が少ない上に、不運な目に合うか、口先ばかりで腑甲斐ないかのどちらかで実に頼りない。
一方で風癲や風来坊もいて、こちらは気持ちよさげに浮流を続けている。
不条理だって?ふざけちゃいけねぇ。
古い文献にも書いてあるよ。たぶんね。