2008年5月2日金曜日

雲の間に

「それ、どこから取ってきたの?」
硝子瓶に詰まったアオは、振っても叩いても、揺らぎもしない。
「雲の間にあった」
そうか、それなら僕にも取れる。でも同じアオではつまらないな。
夕焼けを狙って瓶を抱えて雲に登った。雲から雲へと飛び移るうちに、日が暮れたので地上に戻る。
瓶の中にはアカネはなかった。
でも、あの花に似てるね。ときみが指差した先には、藤の花があった。