懸恋-keren-
超短編
2008年5月13日火曜日
いつものように
階段を降りて「おはよう」って言っただけなのに、きみは知らんぷり。
いつもは赤いよだれ掛けをひらひらさせて挨拶してくれるのに。
おっかしいなぁ、と思ってあたりを見回したら、メガネのおばさんがツカツカと歩いてきていた。
おばさんが通りすぎてから、もう一度「お地蔵さん、おはよ」と言ったら、ちゃんとよだれ掛けがひらひらした。
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